.
ゲンゲ 富山湾の奥深くに棲む深海魚
日本三大深湾のひとつに数えられる富山湾には、海岸から水深1000メートル付近まで急激に落ち込む海底谷があります。
.
300メートル以深には、水温0度に近い日本海固有水=海洋深層水があり、そこには多様な生物が存在しています。
.
ホタルイカ、ベニズワイガニ、シロエビはよく知られた存在になりましたが、
近年にわかに注目を浴びているのが、ゲンゲ
です。
.
ゲンゲは、水深200メートル以深に棲む深海魚です。
.
体長20センチほどで細長く、身は白く透明感があります。
.
全身がヌルヌルとした分厚いゼラチン質で覆われおり、大きなおたまじゃくしのような印象です。
.
身は適度な脂がのっており、漁村では昔から味噌汁の具や吸い物の種として使われていました。
.
また、天婦羅や唐揚げにすると柔らかなフワフワした食感があり、干したものを軽く炙れば酒肴として最適と評価が高まっています。
カニやシロエビと違い専門の漁はなく、底曳き網を引き上げる際にそのゼラチン質の体が網に巻きついて引き揚げられます。
.
30年ほど前までは、同じ水深に生息するホッコクアカエビ(甘エビ)を獲るときに混獲されるやっかいものとして、嫌われていました。
.
グロテスクな顔つきも災いして、漁師たちの間では「下の下(げのげ)」と呼ばれ、浜に打ち捨てられていたといいます。
.
非常に多くの水分を含んでいるために劣化が早く、すぐに生臭くなるため、せいぜいで漁村の家庭料理に活用される程度のものでした。
.
近年になって、流通が速くなり、割烹や料亭で天婦羅や唐揚げとして提供されはじめたことで、これまであまり口にすることがなかったゲンゲの味わいが知れわたるようになりました。
.
そしていつしか、雑魚の中の雑魚として扱われてきた「下の下」が、
滅多に出逢うことのできない幻の魚=「幻魚(げんげ)」と呼ばれるようになりました。
.
この名は、富山湾に幻のように出没し、めったに出会えない「蜃気楼」を、また、お吸い物で食した際に、舌の上で幻のように溶けていく食感と重なり、ゲンゲという魚を見事に言い当てています。
.
豊富なコラーゲンが評価を呼ぶことに
全身を覆うゼラチン質に豊富なコラーゲンが含まれている点も、ゲンゲが評価される一因となりました。
.
県内ではゲンゲに含まれるコラーゲンを使った栄養補助食品が開発され、話題になっています。
.
急速冷凍したゲンゲから、有効成分だけを濃縮させて粉末化させるもので、これがせんべいなどの菓子類や食品への加工にも使われています。
.
ヌルヌルした感触やグロテスクな外観にばかりに注目が集まっていたゲンゲですが、全身に含まれるコラーゲン成分の存在により、さらなる需要の拡大が期待されています。
.
注目をあびるゲンゲ
ゲンゲが人気魚となったことと相まって、漁獲後すぐに漁船で冷水に入れて保存するなど、漁や保存法も工夫されています。
.
そのこともあり、最近では地元富山だけでなく、関東や関西圏からも注文があるそうです。
.
安くて、うまくて、利用価値の高い魚としてただいま人気上昇中のゲンゲ。
.
すまし汁やから揚げ料理、鍋料理、一夜干し、さらには、サプリメントやゲンゲを粉末にして開発したせんべいなど、新たな商品開発も進み、今後のますますの活躍が楽しみです。
ゲンゲ亜目 |
---|
![]() ウルフフィッシュ
|
ゲンゲ科は、スズキ目ゲンゲ亜目に所属する魚類の分類群の一つ。
.
少なくとも46属230種が記載され、その多くは北半球の寒冷な海に生息する深海魚である。
ゲンゲ科 |
---|
![]() |
ゲンゲから揚げ
水深200メートル以深に棲む深海魚ゲンゲ(幻魚)。
ゲンゲから揚げの料理法
中温の油でじっくりと揚げて 食べるのですが
.
二度揚げすると、表面はカリッと なかはふっくらと 揚がります。
.
天ぷら油を170℃(中温)に設定し
軽くかき混ぜながら揚げ、油を切って食べるんです。
まとめ
から揚げのポイントは2度揚げだそう
です。
表面はカラッと中はふっくらって
いいですね。
30年位前迄は網にかかっても
無惨に捨てられていたそうです。
水分が多く劣化が早いのが原因
のようです。
しかし近年になって流通が早く
なったお陰で店でから揚げと
して食べられるようになったらしい
です。
下の下が滅多に出逢うことのできない
幻の魚に変わったようです。
見た目によらずコラーゲン豊富で
煮物でも旨いらしいですよ。
.
出演者
【MC】二宮和也
【メンバー】菊池風磨(Sexy Zone)・川島明・朝日奈央
【ゲスト】濱田岳
【VTR】宮下草薙