目次
遠くへ行きたい
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「松尾諭の北海道旅!アイヌ文化と美味&最高の酒で食すカキ」




今回は松尾諭が北海道へ
▽釧路の炉ばた焼きで乾杯
アイヌ文化と知恵と伝統料理
厚岸のカキを厚岸の美酒で堪能!
世界に注目される蒸留所▽カヌーでめぐる湿原と絶品カニ
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カフェ リムセ クチコミ
白老駅/カフェ、郷土料理(その他)、ソフトクリーム
ジュニアーズ(1698)の口コミ
1回目
ヒンナ、チェプオハウ(鮭汁をいただきます)
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オハウにチタタプ!アイヌ料理を学んでみたら、寒い冬が怖くなくなった!
この度東京都九段下にて、鮭をまるごと一匹調理する本格アイヌ料理教室が開かれると聞きつけ、さっそく参加してきました。
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北の大地で培われたアイヌ料理には、体を温めるための知恵がいっぱい。
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寒い冬を越すのが怖くなくなる、絶品料理をレポートします。
講師の宇佐照代(うさ・てるよ)さん。
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(チタタプ仕上げ中)関東アイヌの一人として、日本中、世界中でアイヌ文化継承活動をされています。
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またアイヌ料理屋を営む料理のプロフェッショナルでもあります。
アイヌにとって鮭は「神の魚」
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アイヌ民族ははるか遠い昔から、北海道で豊富に獲れる鮭を「神の恵み」として感謝し、常食としてきたんだとか。
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鮭は神話や物語、歌などの中にも、他の魚とは比にならないほど頻繁に登場します。
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宇佐さんによると、現代を生きるアイヌの漁師にとっても、鮭は特別な魚という認識があるのだそうです。
前日に函館の市場で仕入れたという紅ジャケ。
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今回はこの子をまるごと料理します。そう、尻尾も目玉も残らずです。
本日のメニュー
今回教えてもらうメニューは4品
「オハウ(ohaw)」
「チタタプ(citatap)」
「ラタシケプ(rataskep)」
「イモシト(imo-sito)」です。
どれもアイヌ文化を代表する日常的な料理です。
オハウ(汁物)
北海道の郷土料理「三平汁」の元になったとも言われる「オハウ」(「温かい汁物」の意味)。
じゃがいも、大根、にんじん、玉ねぎなど、根菜がたっぷり入って体をポカポカ温めてくれます。
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味付けはなんと塩のみ(!)ですが、昆布でしっかり出汁をとるので旨味がバッチリ効いている優しい味になります。
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今回は、鮭の身だけでなく、尻尾もオハウに入れちゃいます。
レシピ
材料:昆布・鮭・大根・人参・白菜・玉ねぎ・じゃがいも・塩
1. 昆布を鍋に入れ、たっぷりの水に浸しておく。鮭も入れる。
2. 野菜を切り、鍋に入れる。火にかける。
3. 野菜に火が通ったら昆布を取り出し、細かく切って鍋に戻す。
3. 塩で味付け。(様子をみながら目分量)
チタタプ(たたき)
ゴールデンカムイの愛読者には合言葉になっている「チタタプ」は、日本料理でいう「たたき」です。
昔は魚、鹿やうさぎ、熊の脳みそなど、なんでもチタタプしたそうです。
鮮度が落ちて生食できなくなった獲物なども、チタタプして団子にすれば立派なオハウの具になります。
「食材は間違ってもムダにしない」アイヌならではの知恵料理とも言えますね。
しかし宇佐さんいわく、現代の「チタタプ」といえば、もっぱら鮭のチタタプを指すそうです。
レシピ
材料:鮭の頭とエラ部分・塩・(お好みでネギのみじん切り)
1. 2丁の包丁を使ってとにかく細かくしていく。塩をふる。
2. 目玉を乗せて完成
ラタシケプ(煮物・チャンプルー)
ラタシケプは、「混ぜるもの」という意味。日本料理の「ごった煮」や、沖縄料理の「チャンプルー」にあたります。
現代ではかぼちゃのラタシケプが主流ですが、昔は山菜や木の実など、なんでもラタシケプにしたと言います。
パーティの時などは、アレンジしたラタシケプをクラッカーなどに載せてもおいしいとのこと。
レシピ
材料:かぼちゃ・金時豆・トウモロコシ・バター・キハダの実
1. かぼちゃを適当な大きさに切り、茹でる。
2. ペースト状になるまでかぼちゃを潰す。
3. 金時豆・トウモロコシ・バター・潰したキハダの実を好みの分量入れて混ぜる。
イモシト(芋団子)
かぼちゃやじゃがいもを片栗粉で混ぜたお餅のことです。
「イモシト」の「シト」は「団子」という意味のアイヌ語ですが、「イモ」は日本語です。
というのも、じゃがいもが作られるようになったのは、近代に入ってからだから。
それ以前は、自然の中で穫れる百合根などで作っていたそうです。
イモシトは現代のアイヌにとっても一般的な料理で、子供の健康的なおやつにもなります。
宇佐さんは小さい頃、ホットプレートで焼いて家族で食べていたといいます。
お餅の代わりにおしるこに入れたり、お正月の雑煮に入れたりもします。
レシピ
材料:じゃがいも・かぼちゃ・ヨモギ粉・片栗粉・(お好みで、醤油・砂糖・塩・バター・チーズなど)
1. かぼちゃ・じゃがいもを適当な大きさに切り、茹でる。(皮は剥いておく)
2. それぞれを別のボウルに入れ、ペースト状になるまで潰す。
3. じゃがいものボウルを3つに分け、一つにはヨモギ粉、一つにはかぼちゃを入れ混ぜる。
4. 片栗粉を目分量入れ、さらに混ぜる。(形成しやすい硬さになるまで)
5. 好きな形に形成し、油をひいたフライパンで両面焼く。
「民族共生空間・ウポポイ」の中にある軽食カフェです。
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セルフサービス式なので、リーズナブルな値段で地元メシがいただけます。
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店名「リムセ」はアイヌの踊りや踊り歌を指すアイヌ語。
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訪問時、店内に障害者のあるかたが多くみられ、障害者施設なのかも知れません。
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店内は手狭で、オープンテラスの座席数もそれほど多くないので、コロナ禍で密を避けるには、ちょっと厳しい感があり、混み合う時間帯は避けることをお奨めします。
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ランチのメニューは、メインが四種。
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チェプオハウ、キナオハウ、そして、鹿肉カツカレーのユㇰカツカレー、そして鮭いくら親子丼です。
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先ず、オハウは、汁物の事。
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次に、チェプは鮭。
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そして、キナは厚揚げ。
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つまり、カレーの他、鮭と野菜の汁物と、厚揚げと野菜の汁物があるって訳です。
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JRsは、鹿肉のカツが入ったカレーをいただきました。
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■ユㇰカツカレー 1,200円
マイルドなカレーに、しっかりした鹿肉はカラッと揚がって、味わい深さがイイ感じです。
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■チェプオハウ・セット 1,200円
チェプオハウ(鮭の汁)とご飯、ラタシケプ(野草の和え物)、コンプシト(キビ餅の昆布タレかけ)、小鉢が付いています。
アイヌが儀式の時に食べたご馳走です。
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■キナオハウ 単品 650円
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■ぺネイモぜんざい 600円
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程よい甘さのデザートも堪能。アイヌの奥深い文化を楽しめます。
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なかなか食べられないアイヌ料理がいただけて、貴重な体験でした。
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これから、もっと、先住民の文化を理解していく為に、ウポポイに余りなかった和人とアイヌの戦いの歴史を書いた山川の歴史の教科書(副読本)を買って帰りました。